HOME > 精神医学・心理学 > すぐ怒らない心にするにはどうすればよいのか

すぐ怒らない心にするにはどうすればよいのか


76.jpg



周囲の人達に恐怖や不快感を与える人間の「怒り」という感情は、この世界ではタブーであり、安易に表に出すべきものではありません。
今日はその「怒りの感情」が急に表に出てしまわないようにするための生活習慣と心がけをまとめました。





何かに依存するのをやめる


何かに依存している生活を送っている人は、そうでない人に比べて怒りの沸点が低くなります。


食べ物、アルコール、タバコなど欲求が満たされている状態では特に問題が無いように見えますが、次第に脳が欲求するレベルが高くなっていきます。
脳が欲求するレベルが満たされない状態が続くと、ストレスを感じるようになります。
そのストレスが、怒りを抑制する「理性の力」を弱めてしまい、ちょっとしたことですぐに怒りやすくなってしまいます。


特にタバコに含まれるニコチンによる依存は強烈です。
ニコチンが脳細胞に吸収されると、脳の快楽物質であるドーパミンが大量分泌され、強い快感を味わいます。
次第に脳が要求する血中のニコチンの濃度は増えていき、脳の要求が満たされないとひどい不快感やストレスを覚えるようになります。
その不快感やストレスが「理性の力」を弱め、怒りやすくしてしまうのです。


依存によって人間関係や仕事などに悪影響を及ぼす可能性もあり、依存した生活を継続することは非常にリスクが高いです。
「理性の力」が弱まり、大切な人を傷つけてしまわないためにも、何かへの依存はやめなければいけません。
一人の力で依存を克服することが困難であれば、専門の医療機関に相談することも重要です。


ゲームやギャンブルを控える



先の項で、依存によるストレスで「理性の力」が弱まり、怒りやすくなると書きました。

ゲームやギャンブルの場合は依存による問題だけでなく、怒りやすい脳を形成してしまう問題もあります。
つまり、依存による快楽で心が満たされていても、すぐに怒ったりしてしまうということです。
ゲームやギャンブルには勝ち負けという競争と不確実性があります。
その競争と不確実性は人間の脳を興奮させ、執着心を生み出します

また、一部のゲームやギャンブルは複雑に考えなくてもプレイ可能であるという点も「理性の力」を弱めます。
一部のゲームやギャンブルは目から入った情報を元に、そのまま手や指を動かします。
理性をコントロールする脳である前頭前野を働かすこと無く、「反射的に体を動かす脳の回路」が形成されはじめます。


興奮と執着心によりゲームやギャンブルを継続的にプレイしてしまい、常態化することで、物事を深く考えずに衝動的な行動を繰り返す脳になります。
その結果、すぐに怒る心になってしまうのです。
実際に、オンラインゲームやゲームセンターなどで、プレイヤー間で罵詈雑言が飛び交うことがあります。
ゲーム終了後に筐体やコントローラーに当たったり、暴行や傷害事件が発生したりすることもあります。


ゲームやギャンブルは遊ぶものであって、遊ばれるものではないということを覚えておきましょう。
もし、プレイ中に突然感情的になった場合、その日のプレイはやめにしたほうが良いかもしれません。

日常生活で強い劣等感や鬱憤を持たない


劣等感を感じない生き方をする.jpg

日頃から、強い劣等感や鬱憤を溜め込んでいる人は、立場の弱い人に対して横柄な態度を取ってしまうことがあります。
例えば、飲食店の店員などに対して、些細な事でクレームをつけ、必要以上に非難する人たちのことです。
このような人たちは日常的に、強い劣等感や鬱憤を抱えています。
横柄な態度をとるのは、日頃の鬱憤を晴らしたり、自分の立場が上であることをあえて確認したり、一緒にいる人に自分の力をアピールしたりするためです。
しかし横柄な態度を繰り返しても、物事の解決にはならず、むしろ周りの人たちは低く評価するでしょう。
そして、周囲の人達から低く評価されていることを意識すると、また横柄な態度を繰り返します。
このようなことが繰り返され、いずれは人間関係の破綻を招きます。


このように、劣等感や鬱憤というものは負のスパイラルを生み出します
故に、劣等感や鬱憤を持たない生活をおくる必要があります。
劣等感や鬱憤を持ってしまう根源の一つとして、「比較」があります。

人生というものは、他人と自分が競い合って勝ち負けを決めるレースではありません。
年収や見た目、能力の有無などは、環境に大きく依存します。過程から違うもの同士が比較しあっても、ただ虚しいだけです。
そのような生産性の無い比較を繰り返して一喜一憂するのは、あまりにも浅はかです。

しかし、テストや成績などで他人と優劣を比較され、自分が劣っていることを決定的に意識せざるを得ない時があります。
その時は、苦痛かもしれませんが結果を受け入れましょう。
悪い結果を受け入れた際に自分への劣等感を強めないためには、生きる上で障害になる一部のプライドを切り捨てることから始めましょう。


ある程度のプライドは自尊心を保つために重要です。
しかし必要以上にプライドを高くすると、現実を直視した際、かえって自尊心を傷つけ、劣等感を強くすることがあります。
自分の想像するプライドを全てそのまま体現した、完全な人間は極わずかしかいません。
誰でも比較を繰り返していけば、いつかは負けることもあります。
普段から自分は皆と同じ不完全な人間であるということを意識するだけで、負けを受け入れる際のダメージを低減することができます。


こうなって当たり前だと思い込むのをやめる




些細な事ですぐに怒る人は、周囲に対する期待が大きく、こうなって当たり前だと思い込み、自分の思い通りにしたいという気持ちが強いことも背景にあります。

ゲームや漫画などと違い、現実の人生はそう簡単に自分の思い通りになりません。
しかし、家庭や会社、社会などで、周囲が本人に対して過剰にサービスを提供すると、本人は全て自分の思い通りになるものだと錯覚することがあります。
その結果、周囲に対する期待が大きくなっていき、ある日突然、自分の期待通りにならなかった時に腹を立ててしまいます。
その際、怒られた相手が過剰にサービスを提供すると、ますます本人の要求はエスカレートしていきます。



解決策は、周囲の人からの過剰なサービスを受け取らないことです。
つまり、可能な限り自分で対処することです。
お茶が飲みたいなら自分でお湯を沸かしてお茶を淹れる。お腹が空いたら自分で食事を用意する。

周囲の人達も、なるべく本人に対して過剰なサービスをしないように心がけましょう。
本人が腹を立てたら、冷静に毅然とした態度で会話を続けましょう。
ここで要求を受け入れるとますます図に乗り、要求がエスカレートします。
本人に、現実は自分の思い通りにならない事の方が多いということを認識させましょう。


参考文献




この本は、人間の心(とりわけ、他人の心)を漫画と文章で解説しています。
漫画で具体例を上げて説明していることから、想像しやすく、わかりやすいものになっています。
店員にキレやすい人の心理、何かに依存する人の心理などの解説が、この記事を書く上で非常に参考になりました。



この本は、先に紹介した本と違い、あまり挿絵がありません。
しかし、人間の怒りの感情を脳科学からアプローチして解説しているので、比較的納得しやすい内容になっております。
ゲームやギャンブルにより怒りやすい脳になることを解説した章を参考にしました。
また、怒りの感情以外にも、悲しみや妬みといった感情や集団の感情なども解説しています。


すぐキレる、すぐ怒る人に対しての対処法もまとめてあります。こちらもどうぞ。

関連記事
シェアボタン

スポンサーリンク


関連記事