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うつ病の症状や回復方法などを簡単にまとめました


精神疾患において代表的とされる、うつ病。
その症状や回復方法などを簡潔にまとめました。




うつ病とは


うつ病は医師の診察を受ければほとんどの場合は治ります.jpg

うつ病は、強いストレスなどがきっかけとなり、長期に渡って気分が落ち込み、仕事や日常生活に支障を来す病気です。

うつ病は、医師による正確な診断を素早く下し、適切な治療を施せば、ほとんど場合は治ります。
しかし、これらの対応を怠り、問題を放置しておくと、最悪の場合「自殺」という形で命に関わる可能性があります。
世間では「うつ病は心の風邪」とよく言われていますが、ありふれた病気である一方で、場合によっては命にかかわる重大な病気であり、決して侮ってはいけないのです。
下記に挙げる症状が見られる場合、ためらわず、お早めに精神科、心療内科へ受診することをおすすめします。


うつ病の症状


うつ病の大まかな症状は下記のとおりです

  • 2週間以上に渡る、気分の落ち込み
  • 集中力や注意力の低下
  • 興味や関心の低下
  • 不眠などの睡眠障害
  • 食欲不振
  • 体のだるさ
  • 自傷や自殺を肯定する行為や考え方

医師による問診で、これらの症状の有無と度合い、どれぐらいの期間続いているか、過去に思い当たるきっかけがあったかどうかなどを聞き取り、うつ病であるかどうかを診断します。
医療機関によっては、問診の前に患者が自分で問診票に書き込む形式をとっているところもあります。


うつ病のきっかけ


ストレスの多い社会では誰がうつ病になってもおかしくはない.jpg

うつ病のきっかけは人によって様々ですが、どれも非常に強いストレスが加わることがわかっています。

  • 社会や会社での人間関係
  • 家庭内の問題
  • 過労
  • 精神的苦痛
  • 経済的な問題
  • 妊娠・出産など

これ以外にも結婚や引越し、昇進や卒業、入学や入社などといった祝い事でも本人には強いストレスが加わり、うつ病のきっかけになることもあります

また、これらの強いストレスが加わるきっかけだけでなく、本人の性格にも影響します
几帳面、生真面目、責任感が強い、凝り性などがうつ病になりやすい性格であると言われています。
○○しないといけない、○○するべきだという考え方が強いストレスを誘発しているのです。
これらはまとめて「執着性格」と言われています。


うつ病の回復方法


うつ病の治療について.jpg

うつ病の治療は、薬物療法と精神療法の2つがあります。

薬物療法


薬物療法は、うつ病の症状や段階によって変わります。
薬物療法の主な流れは以下のとおりです。

  1. 問診によりうつ病であるかどうかを診断する
  2. 抗うつ薬SSRIまたはSNRIを少量から始める
  3. 抗うつ薬を少しずつ増量し、症状が改善されれば同じ分量で服用を続ける
  4. 症状が改善されない場合は、別の抗うつ薬を服用する
  5. 症状が安定した後、抗うつ薬の減量を始める
  6. 抗うつ薬の打ち切り

薬物療法は、最初の問診でうつ病であると診断された場合に行われます。
処方される抗うつ薬は「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」もしくは「SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」を少量から始めます。
SSRIは脳内の神経伝達物質である、セロトニンが不足しないようにする薬です。
SNRIはセロトニンと同じく、脳内の神経伝達物質である、ノルアドレナリンが不足しないようにする薬です。
抗うつ薬を少しずつ増量し、症状が大幅に改善された場合は、薬を増量せずに同じ分量で服用を続けます。
SSRIもしくはSNRIを増量しても症状の改善が見られない場合、他の抗うつ薬に変更し、少しずつ増量していきます。
増量した抗うつ薬の服用を4~6ヶ月続けた後、症状の悪化が見られない場合、抗うつ薬を少しずつ減量します。
症状が十分に改善し、抗うつ薬の減量によっても症状に変化が無ければ、抗うつ薬を打ち切ります。


精神療法


うつ病の治療には、休養と薬物療法が必要ですが、それだけでは十分であるとはいえません。
精神療法はうつ病のきっかけと言われている、患者の不安や考え方の歪み、人間関係上のトラブルを、医師との会話によって改善する療法です。
主に支持的精神療法、認知療法、対人関係療法の3つがあります。

  • 支持的精神療法:医師が患者の話に耳を傾け、不安な気持ちを受け入れ、患者の気持ちを支える療法
  • 認知療法:医師との会話により、患者の物事の考え方や受け止め方の歪みに患者自身が気づき、修正する療法
  • 対人関係療法:医師との会話により、人間関係上の問題点に患者自身が気づき、改善に導く療法

これらの精神療法は、医師の指導のもと治療することがベストですが、どうしても医療機関での診察を受けたくない場合は、自分で行うこともできます。
うつ病のきっかけと言われている、○○しないといけない、○○するべきだという考え方を変えるには、仏教について勉強すると良いでしょう。
仏教では主に、人間が苦しむ原因とされている、執着を手放す考え方などについて深く知ることができます。
精神医学がまだ発達していなかった大昔の日本では、仏教によってうつ病などの精神疾患を治療・予防したといっても過言ではないのです。(実際、認知療法の根本は仏教哲学と似通っています)

現在、日本には仏教に関する本が無数に存在しますが、私が特におすすめしたいのは、アルボムッレ・スマナサーラ氏の本と、小池龍之介氏の本です。





どちらも仏教という難しい概念を、一般人目線で根本からやさしく解説しているので、非常に読みやすいです。
また私自身も、これらの仏教本から学んだことを元に、記事にまとめたりしています。
以下の記事は、その代表作です。是非ご覧ください。

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躁うつ病との違い


躁うつ病とは、躁状態とうつ状態が交互に繰り返し現れる病気です。長期間うつ状態が続くうつ病とは違います。
躁状態とは、気分がよく、テンションがあがった状態のことを言います。
人によっては、身勝手な行動をとったり、攻撃的になったりします。

とても元気そうに見えますが、気分が沈み、うつ状態になることがあります。
一度うつ状態になると、なにごとにもやる気が起きず、自殺を考えたりすることもあります。
また、躁うつ病は、気分や感情が上下する境界性パーソナリティ障害と似ていることから、医師でもその判断が難しい状況にあります。

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まとめと参考文献


うつ病についてまとめます。

  • うつ病は命にかかわる重大な病気であり、侮れない
  • うつ病は強いストレスなどがきっかけとなり発症する
  • 強いストレスには、生活環境の変化や祝い事も含まれる
  • うつ病の症状は主に長期間に渡る気分の落ち込みなどがある
  • うつ病の治療には薬物療法と精神療法の2つがある

重ねて申し上げますが、うつ病は命にかかわる重大な病気であり、決して侮ってはいけません。
うつ病かと思われたら、早めに精神科や心療内科などの医療機関を受診することが一番です。

しかし、医療機関へ受診することが困難である場合は、うつ病のきっかけとなった患者の考え方を改めることで、少しでも自殺から遠ざけるべきです。
仏教の本を読み、患者の考え方を改善させ、ストレスを低減させることで、症状の緩和を目指します。
それから、仏教の本は特定の宗派の本ばかりを読むのではなく、様々な宗派の考え方を取り入れ、より柔軟な考え方にしていくことをおすすめします。
目的はうつ病の症状の緩和であり、特定の宗派の考え方に執着することではないからです。


参考文献はこちら。


うつ病の症状、正しい治療方法、周囲のうつ病患者への接し方などが書かれています。
挿絵は少なめですが、図表が用いられており、うつ病の患者でも回復傾向にあれば比較的読みやすいです。


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