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社交不安症を治す、5つの「認知行動療法」



人と接触する場面で、強い不安や緊張を感じてしまう社交不安症。
このような心の病気にかかっている方は、物事の考え方が偏っており、ネガティブに考えがちです。

そこで今日は、その偏った考え方を元に戻し、社交不安症を治す「認知行動療法」を5つに分けて説明します





1:自分の考え方と行動を知る



認知行動療法は、自分の考え方と、それに関係する行動について知ることから始まります。


自分が困っている対人場面を想像しましょう。
例えば、知らない誰かに道を聞かれる、人前でスピーチや自己紹介をする、会社の飲み会で上司や同僚などと付き合う、取引先と電話で会話するなどがあります。

その場面の時、自分は何を感じて、どのような考えが浮かぶでしょうか。
例えば、「緊張で声が裏返ったらどうしよう」、「上手く話せなくて不審に思われるかもしれない」などがあります。

どれぐらいの不安や緊張を感じ、体にどのような影響が表れるでしょうか。
例えば、手や体が震える、大量の汗をかく、顔が赤くなるなどがあります。

不安や緊張をさとられないように、他人から目をそらすなどの安全行動をしていますか。
(※安全行動とは、対人場面で不安を感じた際、自分の不安を相手に知られないように不安を隠す行動全般を指します。)


そして、実際に自分が何かしら行動した時に感じた不安や症状などを、今日から記録し始めましょう。
どんな時に不安を感じたか、その時の考えや症状、安全行動の有無など、大まかでも良いので記録します。
記録が溜まってきたら、時々読み返して、不安になる場面のパターンを知ります。
ひとまずはこれで十分です。



2:自分以外の物や人を注目する



次に、自分に向いている意識を、外に向ける訓練を始めましょう。

まずは対人場面でない時に、注意を外部に向ける練習をします。
部屋の中にある、壁や天井、カレンダー、時計、家具、窓から見た外の景色などを集中して観察します。
観察対象の形状はどうなっているか、色は何色か、素材は何で出来ているか、その中に図形はいくつあるか、匂いや味はどうか、音はするかなど細かく注意して観察します。

集中して観察しなければ確認できない細かい物事に注意を向けることで、自分への意識をそらします。
音や匂い、味を観察する時は目を閉じて、さらに意識を集中します。


自分のことを一時的に忘れるぐらい対象に意識を集中できれば十分です。
とは言え、自分への意識を完全にそらすことばかりが良いとは限りません。
自分に向ける意識と、自分以外に向ける意識のバランスを、対人場面において取ることができれば、この段階はクリアです。



3:他人の考え方に触れる




ここでは自分の対人場面におけるネガティブな考えが、皆同じ考えでないことを認識します。
自分の親しい友人などに、対人場面での考えを聞きます。

例えば、

Q.自分は大衆の前でスピーチをしており、その不安や緊張が大衆にさとられたとします。その時に感じるものとして近いものはどちらでしょうか?

A.大衆に自分の不安や緊張を知られた以上、このスピーチは完全に失敗で、私に一生つきまとう恥だ。
B.不安や緊張は誰にでもあるものだから、それが知られても特に問題はない。


もっとも、このようなかしこまったアンケートを直接取る以外にも、インターネットを使用して、いろんな人の考えに触れることも一考かと思います。
自分の考えが皆同じ出ないことに気づく事ができれば、考え方のバランスを取れるようになります。



4:考えるのをやめる


深く考えない.jpg



例えば、あなたが何かしら不安や緊張の伴う対人接触(人前でのスピーチなど)を求められたとします。
実際に対人接触を行うよりも遥かに前から、そのことが気になり、不安になっていませんか。
対人接触が終わった後も、ああすればよかったなどと深く考え込んでいませんか。
考えれば考えるほど不安や緊張は煽られていきます。


深く考えている状態は、自分に意識が集中している状態でもあります。
そこでもう一度、自分以外の物や人に意識を集中させ、考えの偏りを治します。
例えば、2で行ったこと以外にも、テレビを見る、ゲームをする、本を読むなどをして気を紛らわせましょう。
もちろん、対人接触において必要な準備(話す内容の確認など)をすることも重要です。
しかし、実際にやってみなければわからないようなこと、考えても答えが出ないことをいつまでも考えることはやめましょう。



5:解釈を変える




さらにネガティブな考え方や解釈を変えて、心を安定させます。
「私は他の人より不安が強い」ではなく「人はだれでも不安になるものだ」と考えます。
「第一印象で決まるから失敗は許されない」ではなく「最初に悪いイメージを持たれても、あとで挽回すれば良い」と考えます。
「私の性格は変わっている」ではなく「むしろ、普通の人間なんて存在しない、誰もが皆変わっているのだ」と考えます。

自分の中の悪い考えをいい考えに変える事ができたら、その内容を紙に書いて、いつも見える位置に貼り付けておきましょう。





まとめと参考文献




上記を全てまとめると以下のようになります。

・自分がどんな場面で不安や緊張を感じるのか調べ、記録を取る
・意識を自分以外の何かに集中する
・他人の考えに触れ、考え方のバランスを取る
・答えが出ないことは最初から考えない
・自分の悪い考えを良い考えに変える



以下、参考文献です。






この本の三章を参考にしました。
紹介されている社交不安症を克服する「認知行動療法」が12ステップもあり、とても長いので短く5項目にまとめました。
なるべく重要そうな箇所を抽出したつもりですが、人によっては、この記事の内容が不十分なものになってしまったかもしれません。
もう少し詳しく知りたい場合は、この本を手にとって読むことをおすすめします。




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