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新卒で入った中小ITにがっかりした話

 

 

※この記事はほとんど私見の話になります。ご注意ください。

 

 

私が大学生の頃は世の中のIT企業はこんなふうになっているだろうと思っていました。

 

 

 

・技術者は皆、勤勉で日々の技術鍛錬をたゆまず続けている

 

・社員は皆、ITにおけるセキュリティやモラルについて社内教育を受け、それらを認識・実行している

 

・いかにして業務を効率化させるかといったことを考え、実行している

 

・新しい技術やモノを導入していく企業体制

 

・期待通りの人事配置

 

 

地元の中小ITに入社した後になってようやくわかりました。これらは幻想だということに。

 

 

 

 

 

 

・技術者は皆、勤勉で日々の技術鍛錬をたゆまず続けている

 

 

まず、技術者は技術鍛錬をする暇なんてありません。技術者は常に納期に追われており、ときにはこれから納品というところで顧客から無茶振りを受け、連日サビ残をせざるを得ない状況にもなります。

 

私が新入社員で研修を受けている時、上司が電話で取引先から無理難題な要求を受けているところも見ました。(既にテスト段階にあるにも関わらず、仕様を変えて上流工程からやり直せという要求)

 

しかも、その取引先が会社の大株主だから、断ることはすなわち自分の進退に大きく関わるのです。どんなに無茶な要求であってもYESとしか言えないのです。

そのようなこともあり技術者は常に時間がありません。夜中の3時に家に帰り、2時間ほど眠って出社する方もいます。

 

 

 

 

・社員は皆、ITにおけるセキュリティやモラルについて社内教育を受け、それらを認識・実行している

 

 

これも間違いです。一部の技術者はともかく、そうでない人たちのITにおけるセキュリティやモラルは皆無に等しいです。(新人の私が言うのもなんですけど。)

 

私が研修中にシステム管理者の方とお話する機会がありました。その方はシステム管理者として、社内とインターネット間の通信を監視しています。

その監視を行う上で、明らかに問題のある通信をいくつも見てきたそうです。

 

例えば、

株取引をしている

自分の不倫相手とメールをしている

出会い系サイトを閲覧している

怪しげなサイトに出入りしている

などがあります。

 

問題なのは会社のPCとネットワークを使用しこれらを行っていることです。

社内PCやネットワークなどの私的利用は業務規程で禁止であると定められているにも関わらずこういったことが常習化しています。業務規程が形骸化しているとしか思えません。

 

 

 

・いかにして業務を効率化させるかといったことを考え、実行している

 

 

これは間違いとはいえませんが、あまり進んでいないのが現状です。先の記述の通り、技術者は皆、時間がないのです。業務を効率化するにしても、効率化することによる弊害も視野に入れて長い時間かけて大勢の技術者が検討しなければなりません。また、効率化する対象によっては多額のお金がかかることもあり、その場合は会社の役員から承認を得なければならないこともあります。そこまでやってようやく業務が効率化されます。業務の効率化を実行することは容易ではありません。

 

 

 

 

・新しい技術やモノを導入していく企業体制

 

 

私は何でもかんでも新しいものを受け入れていけば良い企業になるとは思っていません。ですが、処理速度の遅いシングルコアのCPUや、記憶容量が少なくデータ破損がし易いフロッピーディスク等をいつまでも使うのはいかがなものかと思います。おそらく何かしら理由があるのでしょうけど、IT企業であるにも関わらず、PC周りのほとんどが旧式なのは驚きました。これに限らず、社内の備品の殆どは旧式です。その割に、採用面接の時に入った役員室の備品は最新式や、豪華なものが多かったです。

 

 


・期待通りの人事配置

 

 

自慢ではありませんが、私は情報系大学在学中に応用情報技術者試験に合格しました。会社に入社した後のプログラミング研修も、期限よりもずっと早く、確実にクリアしていきました。そんな私が、プログラマ以外の配属がされるはずがない。そう思っていました。人事配置の辞令を受けるまでは。

 

私の配属先は営業でした。そして、プログラミング研修中に連日深夜まで残業を繰り返し、研修期間が終わっても課題が終わらなかった文系の同期がプログラマとして配属されました。これほど理不尽で不条理なことはないと思います。

 

いささか傲慢のように思われますが、残業まみれだった文系の同期がプログラマをやるより、私がプログラマをやるほうが確実に効率よく業務をクリアできる自信があります。それは自他共に認める圧倒的なレベル差で、研修担当者も私の配属先の部署の方も含め、この人事配置を知ったすべての人が大変不思議がっていました。なぜこのような人事配置になるのか。私はこの辞令を聞いたあたりから会社を信用しなくなりました。ちなみに私が会社を辞める最後の瞬間まで、この人事配置について納得のいく説明はされることはありませんでした。

 

なぜこんなことになったのか理由はわかりませんが、期待通りの人事配置が行われると思わないほうが良いでしょう。

 

 

 

 

当時がっかりした私が今思うこと

 

 

なぜ、中小IT企業がこのような状態に陥っているのか?

原因として考えられる要素の一つとして「アウトソーシング業務」があると思います。

「アウトソーシング業務」、横文字で表現するとかっこよく聞こえますが、日本語で簡潔にすると、「外部委託」です。

「外部委託」ですから、取引相手はシステムの開発手法や構造、細かい仕様まで理解していません。だから、テスト段階であるにも関わらず、急に要件定義までさかのぼって作業をやり直せと平然と言えるのです。

 

もっともそれらを理解していたとしても、取引先が会社の大株主ならなんの抵抗もなく無茶な要求をするでしょう。元は取引先の担当の方が要件定義書をしっかり把握していなかったのが原因であるのに、その失敗をすべて中小ITに押し付ける。要求に対してYESとしか言えないことを良いことに。こちらは取引先の要求に従って製造し、納品しているにも関わらず。

 

私はこの中小IT企業に半年しか勤めていませんが、その間に会社を辞めていく人間を3人も見ました。そのうち2人は高難度の資格や技能を持つ優秀な技術者です。

先輩から話を聞くと、ここ最近ではよくあることだそうです。なんでも、取引先がアベノミクスにより業績が好調で、事業を大きく展開したいからそれに伴うシステムの開発等の要求が過剰になっているとか。

その時私は中小IT企業に所属している技術者はこれからますます肩身の狭い思いをするんだろうなって思いました。冒頭に書いた幻想もあっけなく崩れ去り、技術者になろうとしていた自分をとても恥ずかしく思うようになりました。

 

それに、私が所属していた中小IT企業は技術者がいなくても会社は回っていくのではないかと考えています。なぜなら、プログラミングを一通り習った人間であれば誰にでもできるような単純なプログラミング業務しか行わないからです。そのような単純な業務に、高度な技能を保有した技術者は必要ありません。技術者の流出はこれからもずっと続きます。

 

私はこのような現状を打開しなければ、いつまでたっても日本で技術者は育たないと思います。とりわけ日本の中小IT企業はいずれ終焉を迎えるかもしれませんね。

 

 

 

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