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会社内の回避性パーソナリティ障害の人との付き合い方


些細な事でも傷つきやすい回避性パーソナリティ障害(以下、回避性)の人は、この社会には大勢存在します。
自信満々な営業職ならともかく、専門性の高い技術職では大多数が回避性に当てはまる場合が多いです。
自分には悪意はなく、言いたいことを言ったつもりでも回避性の人は深く傷つき悩むことも多々あります。

そこで、会社内の回避性の人との無用なトラブルを避けるための接し方、付き合い方をまとめました。





急に責任や負担を増やさず、現状維持に徹することで離職を避ける


回避性の人は責任や期待などを過大に感じ、大きなプレッシャーがかかると簡単に潰れてしまいます。
余力があるように見えても、新しい負担が増えることに対してかなり警戒しています。
一度負担が増えることに意識が向かうと、自分がその負担に耐えられるかどうかが常に不安になり、辛い思いをするならいっそ逃げ出したいと思うようになります。


回避性の人は新しいことに対して不安がある一方で、現状維持をすることに抵抗がありません。
単調なことを繰り返して苦痛なように思えるかもしれませんが、本人は全く苦しく感じていないことが多いです。
最初は慣れないことでも時間をかけてやっていけば、きちんとこなしてくれます。
仕事を覚えることにも慣れることにも時間がかかる回避性の人は、リスクを恐れて他のことに目移りせず、今手元にある仕事にしっかり集中してくれます。


つまり回避性の人の場合、一旦今の仕事に根付いてくれれば、離職するリスクは少ないということです。
回避性の人を現場にとどめたい場合は、今と同じ仕事、もしくはその派生した仕事を与え続け、環境が変わるかもしれないという不安をなるべく与えないことが重要です。




感情的に怒鳴らず、なるべく優しく問いかけることで心を開いてもらう


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回避性の人にとって最悪な上司は、何かにつけて自分が気に入らないとすぐに感情的になり怒鳴る上司です。
彼らは大声や感情をむき出しにした言動に強い拒否感や不快感を持ちます。
自分に向けられた脅威からは目を背け、逃げ出したいという本能が働き、結果的に離職という結果になってしまいます。


回避性の人はそもそも無用な争いごとが大嫌いです。彼らにとって、感情的に怒鳴る上司はめんどくさい存在以外の何者でもありません。
感情的な熱血上司は彼らにとって、もはや時代錯誤とも言えるかもしれません。
彼らに必要とされる上司は、熱血系ではなく冷静で優しい上司です。
面倒な争いが嫌いな彼らを説得するには、感情論ではなく、優しく説得することが重要です。
優しく地道に接することで、次第に心を開いてくれるようになります。
地道に接することはめんどくさいかもしれませんが、それが彼らの心をつかむ最初の一歩になります。
誰だって自分の支持者は一人でも多いに越したことはないでしょう?


回避性の人が特に嫌いな、すぐキレる人、すぐ怒る人にならない方法があります。こちらもご覧ください。

関連記事

本人の主体性を尊重し、危なくなったらしっかり助けることで信頼関係を築く



回避性の人から主体性を奪うことも、余計に回避性に拍車をかけてしまいます。
感情論でお前は「○○をしろ」などという強制は回避性の人にとって苦痛そのものであり、苦痛からは逃避するという本能が激しく働きます。


しかし仕事をする以上、誰も責任から逃れることはできません。
そこで、彼らに責任を負荷なく与えるには、「○○してみないか」や「○○してくれるとありがたい」などと言い本人に主体性を与えることが良いでしょう。
それでも首を縦に振らない場合は、「困ったときは私がフォローする」や「やれるところまでやってくれたらいい」などと言い、助け舟を用意して安心させましょう
その安心こそが回避性の人をやる気にさせる原動力となるのです。


そして、本人が実際にやってみて、危なくなったらしっかり助けてあげましょう。
ここで助けてあげないと一気に信頼されなくなります。結局自分をいいように使うための嘘だと見抜くからです。
以後、本人に何かしら持ちかけても拒否することが増えるでしょう。
困ったときにはしっかり助けて安心、信頼させることが極めて重要です。



最後に ~回避性の人を会社に残し、味方につけるメリット~



ここまで書いてきて会社の腫れ物かのように思われる回避性の人ですが、回避性の人を会社に残し、味方につけることには大きなメリットがあります。


会社に回避性の人とは真逆な自己主張の強い人達が多い場合は、衝突や争いが絶えません。最悪、どちらかの勢力が完全に滅びるまで争いが続く場合もあります。
もし、争いごとを好まない回避性の人がごくわずかで、自己主張の強い人達が末端から幹部まで幅広く存在する会社だとしたらどうでしょうか。会社として団結力やまとまりがなく、いざという時に力を合わせてライバル会社と戦うことさえままならないでしょう。


その点、争いごとを好まない回避性の人は、自己主張の激しい人に比べて味方につけやすいです。
自ら反対意見を述べて対立するぐらいなら、素直に味方になったほうがめんどくさくなくてマシだと思うからです。本当に対立したい場合なら、文句を言わずに無言で去っていきます。
また技術職の彼らには、確かな専門性と技術力があります。極端に尖った性能はときに非常に役に立つ事があります。
尖った性能持つ彼らを複数味方につけ、それぞれが足りない部分を補い合い協力し、うまく機能させることで、汎用的な人たちの集団を団結力で凌駕することもあります。
この団結力は組織を形成する上で非常に重要です。
これからは回避性の人をいかにまとめ上げていくかが、上司の腕の見せ所といえるでしょう。




参考文献




この本の第六章、回避性の人とうまく付き合う方法を参考に記事にしました。
今や回避性の人は社会のどこにでもおり、出世していく上でうまく付き合う方法は誰にでも求められます。
この本では部下、上司、恋人、伴侶、子供の回避性の人とうまく付き合っていく方法が書かれています。
自分の支持者や味方を増やし、自分に有利に事を運びたい方は一読の価値はあると思います。
また、グーグルがいかに回避性の技術職社員をまとめ上げ、IT企業として成功していったかも書かれています。



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